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【水泳初心者向け】クロール バタ足のコツと練習法|推進力とバランスを解説

水泳を始めたばかりの皆さん、こんにちは!多くの人が最初に挑戦するクロール。水の中で手足をバタバタさせて、懸命に前に進もうとするその意欲は素晴らしいですね!プールサイドで一生懸命練習するあなたの姿が目に浮かびます。

でも、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてください。もしかしたら、あなたはバタ足で「進もう」と、必要以上に頑張りすぎていませんか?

水泳初心者の多くが陥りがちなのが、「バタ足こそがクロールの推進力の大部分を生み出す!」という誤解です。一生懸命バタ足をすればするほど疲労感は増すばかりなのに、期待したほど前に進まない…そんな経験はありませんか?まるで、その場で足踏みをしているような感覚に陥ることもあるかもしれません。

実は、クロールにおいてバタ足は、私たちが最初に抱くイメージとは異なり、より繊細で、そして非常に重要な役割を、静かに、しかし確実に担っているのです。それは、単なる推進力を生み出すエンジンではなく、水中の動きを安定させ、より効率的な泳ぎへと導くための、まさに「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。

この記事では、水泳初心者の皆さんが、クロールのバタ足について本当に理解しておくべき核心的な知識を、基礎から応用まで、丁寧に、そして詳しく解説していきます。「一生懸命やっているのに、なぜか進まない…」と悩んでいる方はもちろん、「これからクロールに挑戦したいけれど、何から始めればいいかわからない…」という方も、ぜひ最後までじっくりと読んで、水中でより自由自在に、そして楽に泳ぐための第一歩を踏み出しましょう!この記事を読むことで、あなたはきっとバタ足に対する考え方が変わり、よりスムーズで効率的な泳ぎを身につけることができるはずです。

クロールにおけるバタ足の役割とは?推進力と意外な関係

まずは、少し驚くかもしれませんが、非常に重要な事実をお伝えします。

クロールで前に進むための推進力の、なんと約7割は「腕のストローク(手の動き)」によって生み出されていると言われています。これは、私たちが想像する以上に腕の役割が大きいことを示しています。水をつかみ、掻き、押し出す一連の動作が、前進するための主要なエネルギー源なのです。

では、「一生懸命やっているのに…」と感じるバタ足は、一体何の役に立っているのでしょうか?残りの3割の推進力を生み出している、と単純に考えるのは少し早計です。バタ足の貢献は、推進力という直接的な要素だけでなく、もっと根本的で、かつ不可欠な部分に隠されているのです。

 

クロールで重要なバタ足の役割|バランスと姿勢を保つ方法

クロールにおけるバタ足の最も重要な役割の一つは、「水中で体のバランスを効果的に取る」ことです。

水中で手と腕を大きく、そしてリズミカルに動かすクロールでは、どうしても体が左右に大きく揺れたり、上半身や下半身が意図せず上下に沈んでしまったりするものです。特に初心者の方は、まだ体の軸が安定していないため、この不安定な状態に翻弄されがちです。このような状況下で、バタ足はまるで船の舵や、鳥の尾翼のように働き、体の揺れを最小限に抑え、スムーズな腕のストロークをしっかりとサポートするという、非常に重要な役目を果たしているのです。

想像してみてください。もしバタ足がなければ、腕を掻くたびに体は大きく傾き、水の抵抗を無駄に増やしてしまうでしょう。また、下半身が沈んでしまうと、体全体が斜めになり、効率的な推進力を得ることができません。バタ足は、これらの問題を未然に防ぎ、体全体を水平に近い、理想的な姿勢に保つことで、腕が生み出す推進力を最大限に活かすための土台を築いているのです。

例えるなら、自転車に乗る時のペダルのようなものだと考えると理解しやすいかもしれません。ペダルを漕ぐことで自転車は前に進みますが、同時に、ペダルを踏むことで体のバランスを取り、倒れないようにしている側面も非常に大きいですよね。クロールのバタ足も、まさにこれと同じなのです。推進力を補助しながら、最も重要な「バランスを保つ」という役割を担っているのです。

バタ足で陥りやすいNG動作と改善策|頑張りすぎると逆効果?

「バランスのためには、やはりしっかりと、力強くバタ足をしないといけない!」そう考えるのは自然な流れかもしれません。しかし、ここには水泳初心者の方が特に注意すべき、いくつかの重要な落とし穴があります。

バタ足に過度な力を入れてしまうと、体全体が不必要に緊張してしまいます、まるで全身に力みという名のブレーキをかけているような状態です。

体が力むと、本来スムーズであるべき水の流れが乱れ、水の抵抗を大幅に受けてしまい、せっかく腕で生み出した推進力も相殺され、結果的に前に進むのが一層難しくなってしまうのです。一生懸命バタ足をすればするほど、体はガチガチに硬直し、水との一体感を失い、疲労だけが蓄積していく…これは、水泳初心者が非常によく陥ってしまう悪循環の一つです。頑張りすぎは禁物、リラックスした状態で行うことが、効果的なバタ足の重要な原則です。

また、蹴り幅(キックの上下への広がり)が広すぎるバタ足も、大きな水の抵抗を生み出すため、絶対に避けたいNG動作です。まるで、水中で大きな壁を何度も蹴っているようなイメージで、前に進むどころか、エネルギーを無駄に消費してしまうだけです。無駄な動きは最小限に、コンパクトなキックを心がけましょう。

さらに、足首が適切に伸びていない、曲がった状態でのバタ足も、推進力をほとんど生み出しません。足首が硬かったり、意識が足りないと、膝も連動して曲がりやすくなり、水面をペタペタと叩いているだけで、水をとらえることができず、全く前に進まないという、非常にもったいない状況に陥ってしまいます。足首は伸ばし、足の甲で水を捉える感覚を意識することが重要です。

楽に泳げるバタ足のコツ|「意識・イメージ・脱力」で自己流から脱却

では、どのようにバタ足をすれば、クロールがもっと楽に、そして驚くほど効率的に泳げるようになるのでしょうか?

そのための最も重要なキーワードは、「意識」「イメージ」、そして「脱力」です。

ただ漫然と足を動かすのではなく、自分の足が今、水中でどのような動きをしているのかをしっかりと意識すること。

そして、「こう動かしたい」という理想の動きを具体的にイメージすること

さらに、バタ足に必要以上の力が入っていないか、無駄な力みを自覚し、積極的に抜いていくこと。

この3つが、効果的なバタ足の第一歩であり、よりスムーズな泳ぎへの鍵となります。

「イメージ」で体の動きを改善する

「イメージ」を持つことで、あなたは自分の体をより効果的にコントロールできます。

  • 理想のフォームを思い描く: 上手な人の泳ぎを観察したり、YouTubeなどの動画を見ることは、理想的なバタ足のフォームをイメージする上で非常に役立ちます。

  • 水中での感覚を想像する: 実際に泳いでいる時の足の動きや、水圧、水の抵抗などを具体的に想像することで、より効率的な身体の使い方ができるようになります。

  • 目標を明確にする: 「リラックスして、大きなキックをしたい」「足首を柔らかく使って、水を捉えたい」など、具体的な目標をイメージすることで、練習のモチベーションも高まります。

水泳初心者必見!バタ足の練習方法|段階的トレーニングで上達

ここからは、水泳初心者の皆さんでも無理なく取り組める、効果的なバタ足の練習方法を、段階的に、そして具体的にご紹介していきます。これらの練習を通して、あなたはきっとバタ足の感覚を掴み、クロールでの推進力とバランス感覚を向上させることができるでしょう。

1. 【目で確認!】腰掛けキック(プールサイドでフォームチェック)

  • 目的: プールサイドを利用して、安定した姿勢で自分の足の動きをじっくりと確認し、バタ足の基本的なフォームと意識を高めます。

  • 方法:

    • プールサイドの端にしっかりと腰掛け、両足をリラックスした状態で水の中に入れます。

    • この時、水面をパシャパシャと叩くようなバタ足はNGです。水面を叩くということは、足の動きの前面だけを使って、後ろを使っていないということです。

    • 意識的に力を抜き、太ももの付け根からゆっくりと、そして大きく動かすことを意識しましょう。お尻の筋肉も使うので、蹴り下げる動きも意識してほしいです。つまり、水中で足を動かすことが重要です。

    • 足首は常に伸ばした状態を保ち、左右の親指が触れるように意識します。

    • 最も重要なのは、自分の目で水中の足の動きをしっかりと確認しながら行うことです。膝の曲がり具合、足首の伸び、キックの幅などをチェックし、理想的なフォームに近づけるように意識しましょう。

この練習の最大のメリットは、安定した姿勢で自分の足の動きを客観的に、そしてじっくりと見ることができるため、「どんな風に足を動かせば水をとらえることができるのか」「無駄な動きはないか」という感覚を具体的に掴むのに非常に効果的です。

2. 【水平感覚を養う】乗り上げキック(水に浮いた状態でのキック練習)

  • 目的: プールサイドを利用して体を安定させ、水に浮いた水平姿勢でのキック感覚を養います。これにより、より実践的なバタ足の感覚を身につけることができます。

  • 方法:

    • プールサイドにお腹をしっかりとつけ、体全体が水面と平行になるような水平姿勢を保ちます。

    • 腰の位置は、プールサイドの端になるように調整します。

    • 足が水面と、水中、両方の範囲で動かせるように意識しながら、バタ足を始めます。

    • この時、けのびの姿勢を頭の中でイメージしながら、より抵抗の少ない、一直線に近い姿勢でキックをしてみましょう。

間違った姿勢で練習を続けてしまうと、かえって悪い癖が身についてしまう可能性があるので、常に正しいフォームを意識することが非常に重要です。

この練習を通して、水平状態でのキック感覚を養い、実際に泳ぐ際に近い感覚を身につけることができます。また、水面と水中での足の動きの違いを感じることも、より効果的なバタ足を習得する上で役立ちます。

3. 【実践に近い感覚】壁キック(壁を支えにしたキック練習)

  • 目的: 実際のクロールの泳ぎに非常に近い、体への支えが少ない状態でのキック感覚を養います。また、クロールで重要な呼吸時に足を止めないための練習にも最適です。

  • 方法:

    • プールサイドの壁に両手を肩幅程度に置き、顔を水に入れます。

    • 壁を軽く支えにしながら、バタ足を始めます。

    • バランスが崩れそうになる場合は、両手を上下に広げて壁を持つと、より安定した姿勢を保つことができます。(まるで、人気アニメの必殺技「かめはめは」のようなイメージです。)

    • 足は、水面と水中、両方の範囲で、リズミカルに動かせるように意識します。

    • 特に、クロールで呼吸をする際に体が沈んでしまうという悩みを持つ初心者の方は、この練習で顔を上げた瞬間に足が止まってしまわないように意識することが非常に重要です。呼吸の動作とバタ足を連動させる感覚を養いましょう。

壁キックは、より実際の泳ぎに近い状態での練習となるため、水に対するバランス感覚や、呼吸と足の動きの連動性を高めるのに非常に役立ちます。
プールではありませんが、家でも出来る練習方法の動画です。ポイントは同じです。

4. 【レベルアップ】ビート板を使ったキック練習(体の安定とフォームの強化)

ビート板を使うことで、水中でより安定した姿勢を保ちながら、バタ足の練習に取り組むことが可能です。

  • 顔つけ板キック(面被り板キック):

    • ビート板の真ん中に両手をしっかりと乗せ、顔を水につけたまま、けのびの姿勢をイメージして体を一直線に伸ばし、バタ足を行います。

    • この練習の主な目的は、呼吸をする際に足が止まってしまい、体のバランスを崩してしまうのを防ぐことです。安定したビート板を持つことで、安心して呼吸の練習に集中できます。

    • 中原コーチが、水泳を始めたばかりの子供たちに最初に教えるキックの練習方法の一つです。

  • 顔上げ板キック:

    • ビート板の先端部分に両手を軽く引っ掛け、顔を上げたまま、口だけを水につけて前を見ながらバタ足を行います。

    • この練習の主な目的は、水中で体を安定させ、フォームを維持するためのキックを身につけることです。

    • ただし、肘がビート板から離れてしまうと、体の姿勢が大きく崩れてしまい、かえって泳ぎづらくなってしまうため、注意が必要です。

  • グライドキック:

    • ビート板を持たずに、両手の位置を肩の斜め前に伸ばし、耳・肩・腰が一直線になるように意識しながらバタ足を行います。

    • この練習の主な目的は、体幹を効果的に鍛え、水中でより安定した姿勢を保って泳ぐための基礎を築くことです。

    • また、クロールを泳ぐ上で非常に重要な、手の入水位置を意識しながら、腕をしっかりと前に伸ばして泳ぐ感覚を養うこともできます。

これらのビート板を使った練習は、水中で体を安定させ、よりスムーズな泳ぎに繋げるのに非常に役立ちます。

クロールを楽に泳ぐためのバタ足|全身運動としての理解

クロールは、単に腕を回し、足をバタつかせれば前に進むという、単純な運動ではありません。

正しい体の姿勢をしっかりと保ち、腕の動き(ストローク)と足の動き(バタ足)のタイミングを、無駄なく、かつスムーズに合わせることが、楽に、そして効率的に泳ぐためには絶対に不可欠です。

バタ足は、単独で推進力を生み出すだけでなく、このタイミングと姿勢を支え、泳ぎの土台を作る、非常に重要な役割を担っていることを、改めてしっかりと理解しておきましょう。バタ足が不安定だと、腕のストロークも連動してぎこちなくなり、結果として推進力を十分に得ることができなくなってしまいます。さらに、バタ足は、推進力浮力姿勢の3つの要素に影響を与え、クロールを楽に泳ぐための基盤となります。「速く動かさなければ」と思っている人も、ゆっくりとした動きの中でもこれらの要素を意識することで、安定した泳ぎに近づけることができます。

特に、呼吸時に体が沈んでしまうという悩みを抱える初心者の方には、壁キックの練習が強く推奨されます。なぜなら、顔を上げようとする瞬間に、無意識のうちに足の動きが止まってしまうことが、体全体が沈んでしまう大きな原因の一つだからです。壁キックで、呼吸動作と足を動かし続ける感覚をしっかりと体に覚え込ませることで、この問題を克服することができます。

まとめ:バタ足は「進む」ためだけじゃない!「支える」意識と「理想のイメージ」で泳ぎが変わる

今回のブログでは、クロールのバタ足について、水泳初心者の皆さんが抱きがちな誤解、本当に理解しておくべき本質的な知識、そして、段階的かつ効果的な練習方法を、より詳しく、より丁寧に解説しました。

「バタ足で、とにかく前に進もう!」とする、力任せの意識から、「バタ足は、体のバランスを効果的に支え、腕のストロークが生み出す推進力を最大限に引き出すための、不可欠な要素である」という意識に、ぜひ切り替えてみてください。

さらに、「こう泳ぎたい」という理想のイメージ を持つことで、あなたのクロールは、これまでとは全く違う、よりスムーズで、より快適なものへと進化するはずです。

焦る気持ちを抑え、一つ一つの練習を丁寧に、そして継続して行い、水の中で自分の体の感覚をじっくりと掴んでいきましょう。水泳は、体で覚える運動です。諦めずに練習を続けることが、必ず上達への道へと繋がります。

この記事が、水泳初心者の皆さんのクロール挑戦を、より深く、そして力強くサポートできることを心から願っています。プールで皆さんが、より自由で、より気持ちよく泳げるようになることを、私たちは全力で応援しています!


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